[EMARF]えんがおベンチPJ -EMARFという新しい選択①-

今回は「えんがおベンチプロジェクト」の中で、実際に木材クラウドプレカットサービスであるEMARFを利用してみた感想や注意点などを紹介していきます。

EMARFってなに?

EMARFというのは株式会社VUILDが運営するwebで展開するクラウド木材プレカットサービスです。

従来であれば、木材を自分達で加工するか、木材加工会社との繋がりがなければ木材を加工することができなかったのが、CADのデータをwebにアップロードするだけで、EMARFが地域の木材加工会社に繋げてくれ目的の部材を家に届けてくれるサービスです。

今回使用したCAD

今回は建築やプロダクトデザイン、ジュエリーデザインとして使われるRhinocerosというCADソフトを利用しました。RhinocerosはグラフィカルアルゴリズムエディターであるGrasshopperを併用することで、アルゴリズミックで数理的なデザインを比較的手軽に作ることができるのでオススメです。

Rhinoceros+GHを用いてモデルを作成

Grasshopperがすごく複雑になってしまって…

まずはRhinocerosとGrasshopperを用いて大体のモデルを作ります。(スタディを考えるとなるべくGHだけで作っておきたい)
特に重要なのはこの段階では一切Emarfのコマンドを使用しないでモデルを作ることです。

理由としては、EMARFコマンド自体がエラーの原因になることがあるので、もしエラーが出た時に簡単に引き返せるよう最後まで残しておきます。将来的には相欠きとかを勝手にやってくれるGHコンポーネントとかほしいですね。

EMARFコマンドでemJointAigaki, emJointHozo, emJointArare を適用

とりあえずGHでできるギリギリまで作り込んだら、Rhinoceros側にモデルを持ってきて加工系のEMARFコマンドを適用していきます。

この時毎回出てくるオフセットが地味に悩みます。小さすぎるとキツくてやすりで削る量が増えてしまうし、大きすぎると緩くなってしまって上手く組み立てられないからです。

今回もかなり悩みましたが、ニスや塗料を塗る関係でかなりオフセットを大きくとってもニスや塗料で埋め合わせができると考えて下のようなオフセット構成にしました。

くり抜きの部分は多少緩くなっても大丈夫だと思って1.3mmにして、ある程度ギリギリを攻めたいところはオフセットを0.6mmから0.7mmに設定した。

他の記事だと0.3-0.4とかでも結構ピッタリという記事もあるので、実際のモデルによって変わると思います。特に今回はサイズも大きく複雑だったためくり抜きはすごくよかったのですが、裏側の0.6mmでオフセットした部材をハメ合わせる時はかなりきつい印象でした。

emAlignを使ってモデルを平面展開

EMARFのコマンドである「emAlign」を用いて3Dモデルを平面に展開します。

課題ポイント① 円柱形状が綺麗に平面展開されない

emAlignを実行したすぐのモデルの様子

「emAlign」コマンドを使ったときに、モデルに円柱形状が入っているとその円柱形状部品だけ綺麗に整列されません。それどころかこの形になると簡単に面を揃えることができないので、「emAlign」の適用から外して手動で横に並べました。

とりあえずEMARFにアップロード(1回目)

とりあえず全部のパーツが綺麗に平面展開されたら、「emCAM3D」を使ってアップロードして問題がないことを確認します。この時点で上手くアップロードできない場合はモデルにEMARF対応していない部品が含まれている可能性が高いので要確認です。(この工程を入れることで次のEMARFコマンド利用後のアップロードでエラーしたときにEMARFコマンドのせいだとすぐ分かるのでとりあえずしておいた方が良いです。)

emFillet3Dをモデルに適用していく

EMARFの加工に使われるShopbotは直角に削ることができないので、「emFillet3D」を用いて角をShopbotで削れるようにモデルを加工しておきます。

課題ポイント② Filletが上手くいかない問題

emFillet3Dを使うことでくりぬきの部分が綺麗にfilletされていることがわかる一方で真ん中の部分の角が不思議とfilletされてしまっている。

複雑な曲線の板を使うと適用してほしいところ以外も適用されてしまう可能性が高いので 「emFillet3D」 は使えません。実際にVUILDの人にも聞いてみたところ、解決策としては自分でFilletの穴をモデリングするしかないそうです。

もしRhinocerosを用いて気合いで作る場合はGHの時にモデリングしておきます。

ナンバリングする

EMARFを利用すると結構複雑な造形物を作りたくなってしまうのですが、そこで必要になるのがナンバリング

課題ポイント③ ナンバリングが上手くいかない問題(溝ほり)

「emCAM3D」のアップロードの際に出てくる溝ほりを利用して、ナンバリングしてみたいと思ったところ、上手く行きませんでした。

EMARFにアップロードしたが上手くモデルに反映されなかった。

課題ポイント④ ナンバリングが上手くいかない問題(自動ナンバリング)

次に「emCAM3D」のアップロードの際に出てくるナンバリングを使ってナンバリングを再現して見たいと思いましたが、まだ納得できない感じでした。

「emLabel」を用いてモデルにナンバリングできるので、そのナンバリングを拾って自動で数字を入れてくれる機能です。ですが、削られる位置が結構バラバラで、モデルからはみ出ているものもあるので、調整できるようになったら良いなと思います。

EMARFにアップロード(2回目)

モデルが完成したら再度emCAM3Dでモデルをアップロードする。穴あけや溝ほりなどのオプションがあるがいくつか試したがあんまり上手くいかないので基本的にはモデルをそのままアップロードすることが理想だと感じた。

課題ポイント④ アップロードができない問題(emFillet3D)

複雑な形状のモデルに対してemFillet3Dを適用すると高確率で出会うエラー、残念ながら中の人でも対処できないようなので上でも言ったが、Rhinocerosで気合いで穴を開ける必要がある。

課題ポイント⑤ アップロードできない問題(容量?)

普通に容量が一定以上あるとエラーが発生するらしい、emCAM3Dのときに選択するモデルの個数を減らすことで、エラーを回避できる。しかし値段が上がってしまうのでは?と思う方もいると思うが、事情を製作依頼画面で記入しておくとまとめて再度見積もりしてもらえるので、少数でアップロードして後でまとめてもらうというのも良い方法。

次回は部材が届いた後のポイントについて紹介していこうと思います。